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コロナで変わる、メンタルヘルスの予防と対応のエッセンス

The Essence of Mental Health Prevention and Response

堤 多可弘

株式会社Appdate取締役 ToHandsプロジェクト責任者/VISION PARTNER メンタルクリニック四谷 副院長

堤 多可弘

コロナで変化した企業のメンタルヘルスケア

新型コロナウイルス感染症が世界的流行となってから一年以上が経過しました。テレワーク導入など新しい働き方が広がるとともに、企業におけるメンタルヘルスケアにも下記のような変化が起きています。

・重要度を増したセルフケアを企業が後押しする必要が高まった
コミュニケーションや組織活性化のための積極的施策を求められるようになった

その理由はコロナ前後でストレス要因や求められるマネジメントが変化したことによります。

今回は
・より重要度を増した「セルフケア」について
・人間関係の変化に対応した組織やコミュニケーション活性化について
・テレワークでも活用できる不調者早期発見のコツについて

施策例を交えて述べていきたいと思います。

なお、それぞれの内容をさらに詳しく知りたい方は我々のnoteも併せてご覧ください。それぞれのセクションにもリンクをご用意しております。

1.カギを握る「セルフケア」のコツ

セルフケアとは、心身の状態を健康に保ちパフォーマンスを最大限発揮できるように自分自身で工夫していくことです。
テレワークを推進するためには、個人には自律が求められますし、企業にはセルフケアの推進が必要になります。

テレワークのセルフケアでは3つのコツが役に立ちます。企業として、社員にこの記事を紹介するなどでセルフケアを後押ししていきましょう。

テレワークのセルフケア 3つのコツ
  • リズムを作る ~5つのルーティンアクション~
  • 自分カレンダーの勧め
  • ON/OFF を付ける ~2つのキョリとソトオキ化~

① リズムを作る ~5つのルーティンアクション~

テレワークになると必然的に生活のリズムが変わり、「なんとなく調子が悪い」という状態を引き起こしやすくなります。原因の一つは「自律神経の乱れ」です。自律神経は体内時計=リズムによって調整されています。
生活のリズムを安定させ、自律神経を整えるためには、「5つのルーティンアクション」が効果的です。いずれも比較的簡単にできるうえに、効果も高いのでぜひ試してみてください。

【5つのルーティンアクション】

1.いつも同じ時間に起きて朝食をとる
2.必ず1度は外に出る
3.運動をする
4.仕事の前後にに身だしなみを整える
5.仕事の前後にノートを付ける

② 自分カレンダーの勧め

テレワークでは自分の裁量で仕事ができるぶん、自分の時間をコントロールする必要が出てきます。そこで役立つのが「自分カレンダー」です。
やり方は簡単。自分のスケジュールに仕事だけではなく、休みや趣味などの時間を確保して記入するだけです。
休みや余暇も仕事を高パフォーマンスで継続する上では非常に大事なものです。もしも休みや趣味の時間が確保できなければ、無理が生じているはずなので仕事や生活の優先度を見直してみましょう

③ ON/OFF をつける ~2つのキョリとソトオキ化~

「テレワークが始まってからON / OFFがつけづずらくなった」という話をよく耳にするようになりました。
そこでオススメなのが「2つのキョリとソトオキ化」です。

2つのキョリは、仕事と時間的・空間的なキョリを取ってしまうこと、ソトオキ化は仕事のことを一旦忘れてしまうことです。
時間的キョリの取り方は、仕事をする時間を明確に決めてしまうことです。
空間的キョリの取り方は仕事をする物理的な空間を決めることです。
時間や場所を決めていないとどうしてもダラダラと仕事をやってしまったり、ついつい仕事のことが目にはいってしまって気持ちが緊張してしまったりします。

時間と空間に必ずキョリを作って下さい。「ワンルームだから仕事をする空間を分けるとかできないよ」という方でも、仕事道具をしまう、パソコンを鞄の中にしまうという風にできるだけ目につかないようにするだけでかなり変わってきます。
ちなみにある調査では、エネルギッシュに働く人ほど「仕事の前後でキチンを片づけをする」そうですよ。

3つ目のソトオキ化というのは時間外で仕事のことを思い出してしまった場合に活用するテクニックです。
テレワークだといつでも仕事ができるぶん、思い出したらついついすぐにパソコンに向かってしまいます。仕事時間以外で仕事のことを思い出してしまったら、メモだけ取って忘れてしまいましょう。
間違ってもそこからToDOは振り返らないでください。以上を心掛けることででON/OFFが付きやすくなります。

この3つのコツを実践するだけで大分パフォーマンスが変わります。
ぜひ社内でも推進してみてください。さらに詳しい内容はテレワークセルフケア 3つの秘訣もぜひご覧ください。

2.コロナ下での組織とコミュニケーションの活性化

コロナ前ではオフィスはもちろん、ランチや飲み会、廊下ですれ違った時など様々なコミュニケーションの場や機会、つまりチャンネルがありました。また仲間との時間や空間の共有が自然と行われていました。下記の概念図のように雑談をはじめとしたコミュニケーションや時間や空間の共有は、エンゲージメント※の向上につながっています。
(※エンゲージメント:従業員の「仕事や組織に対する前向きな気持ち」モチベーションや従業員満足度にも近いが、より高位の概念)

ところがテレワークではコミュニケーションのチャンネルも、時間と空間の共有も減ってしまいました。また褒めてもらう、認めてもらうとかの受容・承認なども感じづずらくなりました。そういった積み重ねがなくなったことでエンゲージメントの低下が起きつつあると私は考えています。
したがって企業では意図的にエンゲージメントをあげる工夫、すなわちコミュニケーションや組織の活性化の工夫をしていく必要があります。

例として下記のような工夫をご紹介します。
コミュニケーションの「機会や場」、そしてコミュニケーションの「タネ」の提供、そしてその工夫が活かせるような土台つくりが非常に大事になります。
それぞれの詳細はオンボーディングにも効果絶大「テレワークでのコミュニケーションと組織の活性化」をご覧ください。

3.不調者の早期発見のコツ

最後にテレワーク下での部下やメンバーの不調者早期発見のコツをお伝えします.
ここでのキーワードは下記の2つです。

●  KAPE
●  2×2メソッド

この2つと後述する早期発見表を活用することで、早期発見は非常に簡単になります。

まずは「KAPE」についてです。KAPEは労務管理で注目すべき4つのポイントの頭文字です。最低限こちらに異常がないかを見ていきましょう。

K:勤怠 = 欠勤、突発休み、遅刻、早退など勤怠の乱れ
A:安全 = 現在、未来において安全に自他ともに通勤や勤務が出来るか
P:パフォーマンス = パフォーマンスが低下していないか
E:影響 = 周囲へ悪影響や過剰な心配を与えていないか

「KAPE」についての詳しい説明はこちらの「KAPE」~管理職や人事労務が専門家に相談すべき基準~をどうぞ。

次に「2×2メソッドです」

これは不調かもしれないメンバーの「”2”週間前の状態と今の状態を”2”人以上で確認していく」方法です。
メンタルの不調は、多くの場合ゆっくり進行していくのでピンポイントでは気がつきづらいものです。しかし、2週間ぐらい前の状態と比べてみると変化がわかりやすくなります。
また1人だと気が付かなかった点や見落としがちな変化も最低2人でチェックすると変化がはっきり見えます。

例えばちょっと調子の悪そうなメンバーAさんがいた時に、自分ともう一人同僚の B さんと「Aさんなんだけど最近どう?なんかちょっと元気なくない?2週間前は、もっとメール返信も早かったし、チャットとかでも活発に発言してたよね。」と相談し合うイメージです。

とは言え
「テレワークではパソコンだけつけてぐったりしているんじゃないか」
「様子も見えないのに安全性や影響なんてわからないよ」
そんな心配もあるかもしれません。
そこでオンラインでの不調早期発見のために下記の早期発見表をつくりました。それぞれ「見るポイント」「見え方」「見えるタイミング」を整理しています。ぜひ参考にしてください。

1つだけ注意点は、短時間のビデオ会議等の様子見だけでは発見が遅れると言うことです。ビデオ会議の瞬間だけ気合を入れて、残りの時間はぐったりしている、そんな人も少なからずいらっしゃいます。この表にあるように比較的早期から変化のわかる雑談やチャットやメールをこまめにやりとりできるような仕組みづくりも大切です。

早期発見ができたら後は、産業医など身近な専門家に相談するのがよいでしょう。産業医の活用方法は産業医活用のコツ メンタル対応編をご覧ください。

まとめ
以上テレワークでのメンタルヘルスケアについてお話ししました。

Today's Point
  • セルフケアの3つのコツを実践・推奨しましょう
  • コロナ下では「雑相」「時間の共有」を大事に
  • 不調者発見のコツはKAPEと2×2メソッド

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The person who wrote this article

堤 多可弘

株式会社Appdate取締役 ToHandsプロジェクト責任者/VISION PARTNER メンタルクリニック四谷 副院長

堤 多可弘

東京女子医科大学病院精神科で助教・非常勤講師を歴任したのち、現在はメンタルクリニックの副院長を務めつつ、産業医としても幅広く活動し、ビジネスパーソンのメンタルヘルスをサポートしている。
また企業のメンタルヘルス・健康経営をコンサルティングするスタートアップ企業、Appdateの取締役として事業を推進している。セミナーやブログ、著作などで幅広く情報発信も行っている。
主な著書「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか 経営戦略としての産業医」
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