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#5_スタートアップの採用担当に求められるものは?

スタートアップの採用担当に求められるものとは

河合 聡一郎

株式会社ReBoost 代表取締役

河合 聡一郎

皆様、株式会社ReBoost 代表取締役の河合です。
今回はタイトルにある通り、「スタートアップの採用担当に求めるものは?」についてお話をさせて頂ければと思います。

また、採用担当に求めるものと同時に、何を見極めるか?も含めてお話しできればと思います。

採用担当者がますます求められる時代

事業会社が成長していく過程において、事業成長と両輪での組織創りは欠かせません。
特に急成長が求められるスタートアップでは、その変化も激しく、そんな中で組織創りの入り口とも言える「採用活動」は、優先事項として非常に高いと言えます。

創業期やシード期と言われる資金調達を初めてするタイミング、その後において、何億~何十億と調達し、IPOを経てさらに成長していくどの過程においても、採用活動はその重要度も高く、あらゆる場面で関係する投資家からも期待をされます。企業価値を向上するためには、「事業価値×組織価値」の両方の視点が必要です。詳しくはこちらもご覧ください

スタートアップが増え、また資金調達も以前よりはしやすくなった背景もあり、様々なビジネスモデルが生れています。
同時にそのビジネスを推進するために職種が必要とされています。

20年以上前にマッキンゼー社から出た名著である、「War for Talent」にも書かれているように、採用の競争が一層激しくなる中で、いかに優秀な採用担当を獲得し、実務をやりこなせるか。大切なポジションであることは間違いありません。弊社のご支援先、また私の出資先でも、「優秀な採用担当が欲しい」というニーズは年々強くなってきています。

経営陣と共に、経営戦略から事業戦略を議論/理解し、組織設計から必要な人材を定義しながら母集団形成をし、見極め、口説いていく。入社後は活躍できるようにオンボーディングをして、人事評価制度を運用しながら育成まで担える。そんな優秀な採用担当がいれば理想ですが、まずは採用担当という役割から何が求められるかを紐解いていければと思います。

採用担当者に求められる役割期待

会社の置かれているフェーズや、ビジネスモデルとその優位性、創りたい組織との関係性もあり、一定の変数はありますが、採用担当に求められる役割期待は、先ほど述べたような背景からも、どんどん変わってきています。

多くの経営者や経営陣と議論していると、従来のような「事業部側からのオーダーを人材紹介会社に依頼して、書類を回すだけ」の受け身且つ、オペレーショナルな採用担当」は、もはや必要とされておらず、基本が、「フェーズごとに自社の急成長に寄与できるような優秀な職種/人材を採用し続ける仕組みや、実行ができる」といった内容に変わってきています。

また、スタートアップではスキルフィットはもちろん、カルチャーフィットも重視されます。そういう観点から、「自社に合う人材」を言語化し、見極める面談設計ができる事、また最終的に選んでもらえるようなコミュニケーション設計ができることも大切な要素です。
加えて、採用人員の設計や予算の策定といった数字に強いこと、加えて、採用活動は多くの人が関わるPJTですので、そういったPM的な全体設計や運用、更に前回の連載の様に、採用広報を回しながら自社の採用競合がどこか、差分値を把握しながら候補者とコミュニケーションをとることも求められます。

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そうなるとなかなか採用ができないケースがありますので、最近は、自社にて高い成果を出している「営業担当」や「マーケティング担当」、「エンジニア」を異動して、採用を任せるケースも増えてきています。

では、一方で、そのように難易度が上がってきている採用担当を外部から採用するときに、どんな内容で見極めれば良いのでしょうか?

下記は一例ではありますが、自社が置かれている状況に応じて、「どんな成果を求める採用担当が必要なのか?」を言語化した上で、取り組んで頂くのが良いと思います。

採用担当を面接するときの見極め方
  • これまでの仕事において、一番と言える課題発見と解決をどのようにしたか。なぜか。
  • 自身が分からない出来事に対してどのように学び、周りを巻き込み対処したか
  • 仕事に取り掛かる時に、どのように全体像を設計するか
  • これまで最も困難で曖昧な状況は何だったか、どのように打破したか
  • 決裁者(経営者や経営陣)などに提案や交渉をした経験があるか。結果はどうか
  • これまでの業務で一番のハイパフォーマンスは何か?なぜか?再現性はあるか?
  • 採用活動で大切だと考えていることは何か?なぜか?
  • 目標達成に対して執着して結果を出した経験はあるか。その具体例

採用活動における知識は、入社後でも学ぶことは可能でしょう。採用手法があるか、採用競合がどこかについてなどは、その例です。

一方で、「未経験の事象」にぶつかった時にどのように解決してきたか、乗り越えてきたか等は非常に大切なポイントとなります。入社後は知らない職種について学んだり、既述のように多くの方を巻き込んだり、経営陣と共に交渉や提案をしながら実務を進めていくことが多いでしょう。その為の信頼関係を築くというアクションも必須です。
そして、会社のフェーズにおいては、様々なことが決まっておらず、曖昧な環境で働くことも求められるため、タフネスさも必要かもしれません。

特に資金調達後には、組織が一気にスケールするタイミングでもあります。
自社のビジョンやミッションを伝えながら、候補者を集め、選んでもらうためのアクションはある意味で、営業活動にも近いと言えます。
また外部の採用ベンダーとも協力していきながら、成果を出していくためには目標達成に向けた執着心も必要です。

特に創業間もないスタートアップにおいて1人目の採用担当には、多くの期待が集まるでしょう。
また成長していく中で、チームマネジメントが期待されたり、チームの中にメンバーとして溶け込んで、成果を出すことも求められます。

様々な役割や成果を求められるスタートアップの採用担当者ではありますが、その分、やりがいも非常にあります。

読者の皆様におかれましては、是非とも優秀な採用担当者の方を採用し、事業成長に繋がる組織創りをリードして頂ければと思います。

今日のポイント
  • 急成長が求められるスタートアップでは、組織づくりの入り口ともいえる「採用活動」は優先事項として非常に高い
  • フェーズごとに自社の急成長に寄与できるような優秀な職種・人材を採用し続ける仕組みや作りと実行ができることが期待される
  • 自社で高い成果を出している「営業担当」「マーケティング担当」「エンジニア」を異動して、採用を任せるケースも増えてきている
  • 採用担当の採用時は「どんな成果を求める採用担当が必要なのか?」を言語化した上で取り組む
  • 採用担当には「未経験の事象への対処」「信頼関係構築」「タフネスさ」「目標達成に向けた執着心」「チームでの成果創出」など多くが期待される

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FECCでは、起業を検討されている方や人事・経営者の方の労務や法務に関する疑問の解決をお手伝いしています。弁護士や社労士に「人材採用時の労働条件通知書や雇用契約書の作成方法」「採用条件設定の法的留意点」などを無料で相談することが可能です。お気軽にご相談ください!

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この記事を書いた人

河合 聡一郎

株式会社ReBoost 代表取締役

河合 聡一郎

法政大学卒業後、東証1部の印刷機械メーカー、リクルートグループを経て、株式会社ビズリーチの立ち上げ期を経験。その後、セールスフォース・ドットコム等を経て、ラクスル株式会社の創業メンバーとして参画。
人事マネージャーとして採用を中心とした様々な会社創りに従事。
同時期に数社のスタートアップの創業、出資を含めた複数社の社外アドバイザーも兼務。
2017年に株式会社ReBoostを創業。代表取締役に就任。
「変革者の挑戦を支援し、より良い社会づくりを。」をミッションに、スタートアップや上場企業、地方ベンチャーに対して、事業戦略の実現に向けた人事組織や採用戦略の策定及び実行、value策定などのハンズオン支援を行う。
また約25社へのエンジェル出資を通じた次世代起業家のサポート及び、シードVCとの事業提携を通じて、出資先スタートアップの組織人事領域の支援を提供。
2019年、厚労省主催の「グッドキャリア企業アワード2019」にて基調講演を担当。
2020年4月、iU専門大学の客員教員に就任。
株式会社ReBoostホームページ
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